スマナサーラ長老の経典解説(日本テーラワーダ仏教教会機関誌『パティパダー』連載)をまとめた施本をPDFで公開いたします。ダウンロードしてご自由にお読み下さい。
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はじめに
今回ご紹介する経典の名前は「Abhiṇhapaccavekkhitabbaṭhānasuttaṃ」です。長いタイトルになっていますが、おそらく、どんな人にも意味が分かるようにと意図的に長くした可能性もあります。
タイトルを少し分析してみますと、まず abhiṇha というのは「常に、いつでも」という意味で、paccavekkhitabba は「観察すべき、考慮すべき、思い浮かべるべき」という意味です。人間には、頭の中でいろいろなことを思い浮かべたり考えたり妄想して楽しみたい、というところがあります。でも、仏教ではそれは認めません。なんでもかんでも好き勝手に思い浮かべることはよくない、と教えています。そして、好き勝手に妄想するかわりに、思い浮かべるべき項目を設定し、それらを繰り返し思い出して頭の中で常に回転させるように、と教えているのです。
次の語 ṭhāna は、この経典では「項目」や「箇条」という意味で使われています。suttaṃは「経典」です。
これらの語を合わせて、全体の意味としては「常に観察すべき項目の経典」となります。いわゆる、朝も昼も晩もいつでも思い浮かべるべき項目がこの経典で述べられているのです。文字どおりそのままの意味ですから、意味が分からないということはないでしょう。このように、誰にでも理解できるようにわざとタイトルを分かりやすくしてあるのです。
~生きとし生けるものが幸せでありますように~
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