2008年9月アーカイブ

2008年9月27日にゴータミー精舎で行われた、スマナサーラ長老「ダンマパダ講義」のメモです。久々のダンマパダ講義は、やっぱりすごかった。ここに書くのはかなり"自分なり"のまとめですが、参考にしていただければ幸いです。(文責:佐藤哲朗)

IMG_3985.JPGna attahetu, na parassa hetu,
自分のためにも、他人のためにも、

na puttam icche, na dhanaM, na raTThaM
子供(子孫・親族への保護)でも、財産でも、国(権力)でも、

nayicche adhammena samiddhim attano,
不法(罪を犯すこと)による成功・繁栄は望まない。

sa siilavaa, paJJavaa, dhammiko siyaa.
戒律ある人、智慧ある人、真理に達した人とはそんな人でしょう。
(Dhammapada 法句84)※

智慧の完成者は、罪を犯して何も得ようとはしないのです。真理を守る人は真理に守られます。真理を守る人を倒産させること、つぶすことはできない。たとえ国家権力でも無理です。半信半疑で道徳を守っても負けますよ、本心ではないのだかから。真理を守ることに心が決定になったら、その人は真理に守られる。それは心の法則によってそうなるのです。物質の法則も好き勝手に変えられないように、心の法則も変えられません。

仏道を完成して悟りに達するにはどうあればよいのでしょうか? 「成功したい・繁栄したい」という気持ちがあっても、心の中で「罪は犯しませんよ」と断言的に決めている。そのように心が決定的になることです。最初は無理にでも決定しておくこと。少々時間が経つと、それが心の本心になります。そうなると、その人は必ず悟りに達するのです。最初に心を決定しておけば、解脱に向って自動的に進む。それがダンマパダ84番の教えです。

「罪だけは犯さない」。それだけです。ブッダは、人間がふつうに生きていることは否定しないのです。むしろ、この偈の教えを実践するためには、ふつうの社会でふつうの社会人として生きる必要があります。そのように生活しながら、微塵も罪を犯さないぞ、と。そう決めることで、本人の生きる道がそのまま修行になるのです。それで解脱に達することができる。家族の面倒を見て、仕事して、友達も大切にして、でも、ちょっと一つだけ、心の中で変わるのです。「何があっても罪は犯しません。真理は破りません」と。

注意してほしいことですが、この4行の詩は、途中では切れません。がっちりとした論理構成があるからです。1~2行で状況を説明して、3行目でsamiddhi(成功・繁栄)という言葉にまとめて結論付けている。不法に成功・繁栄(子孫・財産・権力)を求めるなかれと。だから2行目と同じicche(iccha 求める)という言葉を使っています。

1~2行目で切って「自他のためにならないから、子供も、財産も、国も求めない」と引用してしまうと、反社会的・反人間的な思想になってしまいます。(実際、そのような訳文が多い)

3行目が釈尊の結論なのです。nayicche adhammena samiddhim attano,
ここは安全に引用できます。4行目は、3行目を受けての別の結論です。

釈尊の道徳は、俗世間の道徳と違うが、普遍的に「人間の幸福」を語っています
「子孫・財産・権力」を「不法に(非道徳的に)」望むなかれ、ということです。
2行目は、3行目のsamiddhiの具体的な説明です。つまり、人間にとっての成功とは何かという具体例を挙げているのです。

(皆さんは誤解されているようですが、)この偈では、出家主義を語っているわけではありません。
誰もが真理を守り、真理に守られる道を説いているのです。

仏教の実践とは、論理的な生き方です。何かの宗教を信じることではないのです。(因縁という)自然の法則にしたがって生きるということです。結婚式をキリスト教会であげなくてはならないという法(ダンマ)はない。自然の流れで現象がでてくるだけで。人間が結婚することも同じ。一人では子育てできないから、結婚ということになっている。それだけのことです。神が決めたことではありません。

そこで神の前で愛を誓うとか、そういう変なことをさせるのは宗教ですよ。仏教は何一つ変なことはさせないのです。変なことさせた時点で、単に「変」です。因果法則とはそういうこと。変は変なのです。変なことはあり得ません。世の中で、偶然というのはまったくありえない。偶然、偶然と口癖のように言うのは、その人の愚かさの表れです。ただ自分が期待しなかっただけでしょうに。偶然などあり得ないし、変もありえない。ふつうの(因縁の)流れなんです。

流れを勝手に変えることはできません。変えてはいけない。因果関係を知らない人が、流れを変えるとどんな結果になることか......。仏道とは他宗教のように「変な事」をする教えではなく、因果法則の流れの中で成長して、解脱に達する道なのです。

生命に自然にある、成功したい(繁栄したい)という気持ちは取り消せません。
それは放っておいて、真理に従って成功・繁栄する道を説くのです。

「何一つ罪を犯さずに生きるぞ」と実践することが、すなわちsati(気づき)です。
参照:「戒があるところには慧があり、慧があるところには戒がある。」(D.I.p124)。

気づき(sati)なしに「罪を犯さないこと」はできないのです。
だから、この偈を実践するだけで解脱に至ります。
四念処の実践も、八正道も、すべてこの偈の中に入っています。

ブッダの言葉は、完璧に語られています。たくさんのブッダの言葉のなかで、自分に分かりやすい偈を選んで実践すればいいのです。実践すると、自分でそこに八正道を発見することになります。しかしやるからには、24時間実践しないといけませんよ。(この偈の場合は3行目nayicche adhammena samiddhim attano,に24時間気をつけていることです。)

だから、やってみようとすると、けっこうキツイんです。
でも、本気でやれば、二週間くらいで預流果には悟りますよ。

※ワンギーサ師のブログ「困った時はダンマパダ」記事を参考に、訳文を修正しました。

~生きとし生けるものが幸せでありますように~

200810hyoshi_.jpg9月19日午後、日本テーラワーダ仏教協会の機関誌『パティパダー』B.E.2552/2008年10月号(vol.15 no.6)をゴータミー精舎から発送しました。数日で、会員はじめ読者の皆様のお手元に届くかと存じます。

今月も発送ボランティアの皆様の御尽力で無事に発送を終えられました。また、10月号の表紙は乃美康治さんが描いてくださいました。

☆『パティパダー(paTipadaa)』は日本テーラワーダ仏教協会の会員向け月刊誌です。

<入会(購読)方法>
初年度会費として、7千円(次年度から年間5千円)を下記の郵便口座までお振込みください。通信欄には「 入会希望」と記入してください。毎月、機関誌『パティパダー(paTipadaa)』をお送りいたします。※パティパダー購読のみ希望の場合も条件は同じです。ご不明の点は協会事務局まで、お電話(03-5738-5526)か電子メール(gotami◆m05.itscom ※◆を@に変えてください)でお問合せください。
 

【郵便振替口座】
00120-5-763914 日本テーラワーダ仏教協会
※協会への入退会は自由です。

~生きとし生けるものが幸せでありますように~

9月14日(日)、代々木公園イベント広場での「スリランカフェスティバル2008」二日目の様子です。初日よりもさらにたくさんの方が来場されました。二日間とも終日晴天に恵まれ、多くの方々と仏縁を結ぶことのできました。素晴らしい「縁日」でした。

080914103345
キャラクターのライオンさんも、ダンミッサラ長老から聖糸を巻いてもらっていました。

080914124423
メインステージでのスリランカ民族舞踊の公演。

080914130106
スリランカフェスティバル会場のゲート(原宿寄り)。

080914143408
午後になって人だかりができたシンハラ文字のパーリ語写経コーナー。左側で見守るお坊様はスマナサーラ長老とスダンマ長老。

080914143431
協会ブース付近の全景。新しく制作された「慈悲の冥想」のパネルに見入っている方も多かったです。

Metta_omote
慈悲の瞑想ポスター(表面:日本語)

Metta_ura_fix
慈悲の瞑想ポスター(裏面:英語)

080914131433
撤収の直前まで、聖糸の授与が続きました。

~生きとし生けるものが幸せでありますように~

9月13日(土)14日(日)の二日間、代々木公園イベント広場でスリランカフェスティバル2008が開催。初日の協会ブースの様子をちょっとだけ写真に撮ったのでお届けします。

080913171628
日本テーラワーダ仏教協会と正山寺釈迦牟尼国際仏教センター(八王子)の共同出店による仮設寺院。

080913171613
ダンミッサラ長老(左端)はじめとした、お坊様方による聖糸の祝福が人気。熱心に相談事をする人も見受けられました。

080913171652
今年も大人気の「シンハラ文字写経コーナー」。スマナサーラ長老自ら、お手本の台紙の手伝ってくださいました。

080913171722
物販コーナーでは、書籍などと併せて、仏旗やスリランカで製作された仏像(石粉を固めて作られたずっしりとした作品)も頒布されました。

080913174722
スマナサーラ長老もシンハラ語写経に飛び入り参加。

年々参加する方が増えている感じの「スリフェス」ですが、明日14日はさらにたくさんの人出がありそうです。類似のイベントに比べてレストランの食事の質も高く、値段も良心的だと思います。お時間のある方はぜひ足をお運び下さい。

~生きとし生けるものが幸せでありますように~

このアーカイブについて

このページには、2008年9月に書かれたブログ記事が新しい順に公開されています。

前のアーカイブは2008年8月です。

次のアーカイブは2008年10月です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

ウェブページ

Powered by Movable Type 4.1